水辺マイスターに聞く、SUNSET2117のルーツと大正の正しい水遊び

かつて大正の尻無川に浮かぶボートハウスがあったことをご存じだろうか?

大人達の飽くなき好奇心を乗せてレーブする ❝大人の揺りかご船❞ は水都大阪を象徴するまでに至る。

大正の水辺の歴史に欠くことのできない伝説的BAR「SUNSET2117」のルーツと大正の水遊びをラボします!

 

 

「SUNSET2117」とは?

引用:https://eonet.jp/gourmet/sp/barrestaurant/index_04.html

かつて大正駅の北西に位置する倉庫街に、浮かぶボートハウスBARが「SUNSET2117」でした。元々はアウトドアスポーツの会社社長が遊びや接待用に作ったのが始まり。道頓堀や淀川につながる尻無川の上という好立地が人気の秘密に。現在も店名をそのままに尻無川に隣接する商業施設タグボートに場所を移して営業中。現オーナー曰く、19年目にしてやっと地に足が着いたと。

 

 

大正の水先案内人に直撃インタビュー!

  • 海上保安庁
  • 60フィートの巡視船
  • 買う気満々の親父 and more…!!

 

凡人ライターには思いも及ばぬワードがのっけから溢れ出ます。「SUNSET2117」の創設者で、水都大阪の先駆者でもある父の姿を一番近くで見続けてきた山崎 昌哉氏に水辺にまつわる歴史を色々とお伺いしました。

 

 

ユーピースポーツ株式会社 代表取締役社長 山崎 昌哉氏 SUNSET2117の創業者を父に持つ現オーナー

 

 

 

巡視船買ったってホンマですか?

 

山崎マイスター:

観光庁が行う競売には消防車とか公用カー等の代物が出回るのですがその中に巡視船が出品されていたことを親父は見逃しませんでした。見つけてからはもう買う気満々で。尻無川に停泊できる権利を持っている方と繋がったことで巡視船を購入。60フィートの巡視船の購入を機に大正区にやってきたのがそもそもの始まりでした。

 

 

※画像はイメージです

引用:https://twitter.com/jcgf_umimaru/status/1090150423804051457?lang=da

 

大正区の尻無川左岸一帯は、戦前より船の荷揚げ場として知られ、その名残で今でも車の乗り入れが可能な大阪市内で数少ない河川敷のひとつで、水辺へのアクセスが非常にいい場所だと感じていました。その一方で占用が許可された川辺一帯は粗大ごみに交じって車も捨てられていた程でかなり荒廃していました。地元の人も怖がるような場所でしたが少しずつ綺麗にしていくことで近隣の方との距離は縮まりました。

仲良くなるにつれ川辺に面した一帯の倉庫も借り受けることになり遊び場用に自分たちで改装したんです。コミュニティが大きくなるに連れ ❝遊び場❞ のキャパも拡大し最終的には近くに係留されていた謎の2階建て台船を譲り受けました。この時点で既に遊びが過ぎる感はありましたが。

 

 

限りなくグレー.. いや、ブラックか。。

 

山崎マイスター:

先程もお話ししましたが最初はお店としてやってはおらず完全にプライベートの集いでした。内輪仲間で集まっては飲んで歌って遊ぶ場所だったのです。ただ妙な場所に夜な夜な人が出入りする姿は目撃されていましたし、なにより頭上には環状線が走っていましたから電車からは筒抜けでした。それを目にした方は奇妙でしかたなかったでしょうね。

内輪だけで遊び始めてから3、4ヵ月もしない内に一般の方が殺到しだしました。最初は断っていましたがあまりにも多くの人がやってくるので何を飲んでもワンコインというくだけた形でやりだしたのが始まりでした。その光景はグレー..いや、限りなくブラックだったかもしれません。今だから言える昔話しですが笑

 

 

 

 

 

大阪府西大阪治水事務所に相談した結果、絶対無理、ありえません、やめてくれーー

 

山崎マイスター:

一般の方が来だしてからは ❝プライベートな関係❞ とは名乗れなくなる程に水辺のコミュニティは膨れ上がっていました。このままでは本当にブラックになってしまうため尻無川を管轄とする大阪府の大阪府西大阪治水事務所に相談してみました。結果は真っ向からNO!を叩き突きつけられることに。トラブルの種をみすみす認める訳にはいかなかったのです。しかし、当時の所長さんが町興しに積極的だったこともあり耳を傾けてくれました。

 

当時の大阪府西大阪治水事務所の所長:『それはおもろい!水辺の賑わいはまったく頭になかった。』

 

今までは守り一辺倒だった大阪府西大阪治水事務所が攻めに転じるきっかけになったのです。『社会的認知度が上がれば水辺の新たな有効活用として広がりがある。』と当時の所長さんは尻無川の未来を託してくれたのかもしれません。

看板をだしたりしての無暗な宣伝はしないこと。事故・トラブルは禁物。くれぐれも気を付けることを前提に ❝河川域の適正な利活用❞ に向けて行政側と私達との交渉は水面下で繰り広げられていました。

その間にも様々な水辺の社会実験を行いました。水辺にライブステージを出してみたり、桜ノ宮の大川でも大阪版の床をつくってみたりと大正以外の水辺でも様々な企画を実施しました。こうした実験の積み重ねが後の水都大阪の発展に繋がったのではないでしょうか。

 

 

大阪の猛者が出入りしてたってホンマですか?

 

山崎マイスター:

プロ野球選手がプライベートでよく来てくれていましたよ。当時近鉄バッファローに在籍していた野茂選手や阪神タイガース時代の鳥谷選手。レジェンドにヒーローと毎日がオールスターゲームのような贅沢な顔ぶれです。そのきっかけとなったのが金村選手でした。当時チョイワル親父が流行っていた時にテレビ番組の企画で共演してから意気投合し金村さんの紹介で多くの選手に来てもらえました。端から見たらチョイが取れてただの悪いおやじにしか見えませんでしたけど笑

 

音楽業界も活発でしたね。桑名正博さんを通じてビッグネームがいらっしゃいました。B’zの松本さんにTOKIOの松岡さん。浜崎あゆみさんもライブ終わりにかけつけてこられたりと、それはそれは豪華な顔ぶれです。

 

ちなみに桑名さんと親父は昔からの悪友だったようで。「こんなんあるで~」「え~やんか~」と言った具合であれよあれよと広まっていきました。顔のささない社交場として打ってつけだったようです。思い出深いのがボートハウスの2階で定期的に開催した落語会です。桂文枝師匠のお弟子さんが一時期お店を手伝っていたご縁もあり、月亭邦正さんや桂三度さん、月亭八光さんなど多くの方に楽しい落語をご披露いただきました。

 

 

 

 

 

「鳥人間コンテスト」の産みの親ってホンマですか?

引用:https://www.ytv.co.jp/birdman/

 

山崎マイスター:

40年前くらいのことですがこんなんおもろい企画あるで!と読売テレビに持ち込んだのが始まりでした。アウトドアスポーツに従事していた親父にとって、人力で空を飛ぶということは夢でした。その夢が水辺と融合し「鳥人間コンテスト」が誕生したのでした。私も子供のころ親父に連れられて琵琶湖に何度も行きました。今でも続く長寿企画・番組ですが親父が見た夢とかロマンが受け継がれている気がしてなんだか嬉しいですね。

 

 

 

 

 

 

水辺マイスターが教える大正の水辺遊びとは?

 

山崎マイスター:

TUGBOATで運航しているクルーズは誰もが気軽に大正と大阪の水辺を近くに感じることができるでしょう。

 

 

ただ、かつての尻無川の奥地では今にはない濃厚過ぎるクルージングが楽しめました。例えば、鶏小屋ゾーン(明らかに人為的に鶏を多頭飼いしているゾーン)や、船の上に建てられた家ゾーン(どう見ても寝泊まりしている人がいるゾーン)があったりと、東南アジアの水辺を彷彿とさせるエキゾチックな体験をすることができました。

前大正区長をアテンドした際は、色んな意味でこれあかーーーん!!!!って絶賛してもらえました笑

ちょっと訳の分からないところが大正区の魅力ではないかなと思います。現に大正には50年以上続くお店が数多く残っていますが、このようなお店が消え失せていくのはとても寂しいことです。街が綺麗になることは良いことですがレガシーとの共存こそが大正の魅力だと思います。

 

 

 

山崎マイスターがお気に入りの「玉々亭」は明石焼きが名物のお店。大正には50年以上のキャリアを持つ名店が今でも多く残ってる。

 

 

他にも大正と言えばやはり「沖縄」は外せません。ライブに食事に気軽に沖縄文化を楽しめるのは大阪でも大正区だけです。どっぶり酔いしれましょう。渡し舟に乗ってみるというのも乙ですね。今では7つ渡船場がありますがロケーションがそれぞれ違うのが楽しいです。南に位置する眼鏡橋から見るサンセットは素敵ですよ♪

 

 

 

尻無川から大阪の未来を見ていた?

 

山崎マイスター:

とにかく親父の発想はぶっとんでいました。ロシアから航空母艦でも買ってそれを大阪湾の沖に浮かべてカジノでもやろか?って言いだしたことがありました。法律上問題なかろう。なんて具合でいたって真剣でした。当時それを聞いた私はカジノなんて絶対にありえへん、、、と思っていましたが今となってはまんざらでもない状況にまできています。晩年の親父は川辺で過ごしていましたが尻無川の水面に大阪の未来も浮かべていたのかもしれません。

 

 

SUNSET2117のテラスから見ることができるサンセット

 

 

SUNSET2117でおすすめのメニューとは?

 

山崎マイスター:

ドリンクの種類も豊富ですが中でもモヒート好きの店長が腕を振るう本格モヒートはおすすめです。一年を通じて爽やかな味わいをお楽しみいただけます。フードで言えば唐揚げはいかがでしょうか?唐揚げコンテストに出品して最終戦まで残った手作りの力作は初めての方も常連の方にも好評です。

 

■自慢のモヒート

夕日に染まるモヒートはエモイ♪テラス席ならではの愉しみ方ができます♪

 

■特製の唐揚げ

表面はカリっと香ばしく中からはジューシーな鳥の旨みが溢れ出ます♪

 

 

 

サンセットを眺めながらモヒートと唐揚げに酔いしれましょう♪♪

 

 

取材を終えて

当時を回想する山崎マイスターの子供のような無邪気な笑みがとても印象的でした。余談でお伺いしたエピソードも魅力的で、当時のボートハウスで桑名さんが歌った「オリビアを聴きながら」がとても思い出深かったそうです。またそれ以上にご本人の目の前で披露した「月のあかり」を歌った時は、心臓が飛び出る程に緊張したそうです。それでも桑名さんはとても喜んでくれたそうでした。そんなたくさんの思い出を今にも受け継ぐ「SUSET2117」の新たな水遊びに目が離せそうにありません。山崎マイスター貴重なお話しをどうもありがとうございました!

 

 

【お邪魔したお店】

SUNSET2117(サンセットニイイチイチナナ)

住 所:大正区三軒家西1丁目1−14 2F

電 話:06-6554-9670

営業時間 :17:00~24:00

定休日:火曜