こんにちは!大正Laboライター西浦です。
先日、読者さんから1枚の写真が送られてきました。
お店の外観を見ても、店名を聞いてもピンとこず・・・「そのお店ホンマに大正区にあります?」と聞いてしまったっほど初耳でした。そしてそのお店が凄かった!
「えっ?こんなところにこんなお店」という賞があったらきっと1位をつけるでしょう。そんな通りすがりでは絶対見つけられない名店を皆さんにも伝えたくて伝えたくて、早速ご紹介いたします。
「大阪東洋珈琲」さん
ちょうど喫茶店ブームの昭和45年に創業された、自家焙煎のコーヒー豆販売店。飲食店などへ配達もされています。
大阪市西区で約50年営業し、店舗の老朽化に伴い3年前に大正区へ移転されました。
場所は大正区小林西、大正区の奥の方です。普通では気づかない・・・そんな通りにあります。
レトロな看板
ひっそり佇んでいます。このかすれ具合がなんともいい感じですね。
お店の入口はこちら
ここだけ見ると一瞬何屋さんか分かりませんが、もう隠れ家を見つけ当てた気分です。
え、喫茶店!?
一歩入るとすぐに3名掛けのカウンターがあります。
コーヒーマシンにサイフォンに、カップアンドソーサーもあって、喫茶店もやってるんかな?と勝手に思い込んだ私は、システムも分からぬまま「コーヒーください」と言って座りました。
「レッドマウンテン」です
「すごく美味しいのがあるんです」と、おすすめのコーヒーを出していただきました。
あ〜 おいしい〜!
いただいた瞬間に思わず声が出ます。
濃い感じだけどキレが良くて嫌味が残らない、不思議なスッキリ感! うまく表現できませんが、とにかく美味しい!!いつものと全然違うことは分かります。
香りもいい味もいい、世界の数々の賞を受賞した、フルーティで華やかな人気のスペシャルティコーヒーだそうです。
大正区の奥地でこんな美味しいコーヒーに出会えるとは!!
「カップ・オブ・エクセレンス」
その年に収穫されたコーヒーの中から最高品質のものに送られる「Cup of Excellence」の称号。国際審査員によって厳格に評価され、全生産量の数%にも満たないわずかなコーヒーのみが得られる最高品質の証です。
大阪東洋珈琲では、この称号を勝ち取ったコーヒーを取り扱っています。
丁寧に摘み取られた完熟豆からなるスペシャルティコーヒーは格別の味わい。時間と手間を惜しみなく注ぎ込んだ農場主の努力が、産地ごとに異なるコーヒーの個性を存分に引き出しています。
実は、ここは喫茶店ではないけれど、コーヒー普及のために色々飲んでもらう場所なんだそう。
珈琲豆を買いに行くと美味しいコーヒーをいただけるんです!これがまた至福の時間。(というか喫茶店使いしてしまった自分が恥ずかしい)
お店の奥で毎日焙煎
心を込めて焙煎されています。土曜日はフル回転だそう。
焙煎は加熱方法によって仕上がるコーヒー豆の味に大きな影響を与えるので重要な役割ですね。焙煎はとても楽しいですよとおっしゃっていました。
大正区のこの場所を焙煎所に選んだ理由は・・・
「ここは元々工場地帯なので、煙が出ても問題ないし、また変な匂いじゃないのでね。」と教えてくれました。
なるほど!ニオイや煙のことも考えられてなのですね。コーヒーのいい香りに癒される地帯ですね。
豆もいろんな国から。
コロナ禍で、船便が遅れたりもあったそうですが、ブラジル、コロンビア、アフリカなどから輸入された珈琲豆たち。麻袋も可愛いですね。
美味しいコーヒーと一緒にお話を聞かせてくださったのは、
大阪東洋珈琲の桑原徹二社長
みんなが恐がるから写真撮らん方がええと思うわ〜とおっしゃってましたが笑、めちゃめちゃ優しくて親切な社長さんです。
喫茶店や珈琲業界のプロ!実際に経験されてきたからこそのお話やアドバイスはリアルでとても楽しいです。
コーヒーといえば「喫茶店」の時代に創業
最初は3人で、3年後には社員が25人に成長するくらい、それだけ喫茶店が続々とオープンしていた1970年に始まりました。
喫茶店の数も年々倍々になっていた、大阪万博があってそれから10年はめちゃめちゃ栄えていて、ビルができたら喫茶店もできていた時代。
自動販売機もコンビニもなくて、朝は喫茶店で珈琲を飲まないと仕事が始まらない。
親方がモーニング食べて現場に行く、サラリーマンはスポーツ新聞読んでコーヒー飲んで出勤するのが主流だったんだそう。
阪神が勝ったら新聞がボロボロ、負けたらまっさらだったとか。分かりやすい!そんな大阪の喫茶店の光景が目に浮かびます。
「いつモーニングができた」とか「カレーがいつからでた」とか「ウエイトレスが出てきて、バーテンがおらんようになった」とか、現在のカフェに至るまで、喫茶店の歴史を知ることができました。
まさに生き字引な社長!マニュアルで習うより中身が濃い教えで、断然面白い!
サイフォンでも珈琲を淹れていただきました。
これは見てるだけでも楽しすぎます。
真空状態になっているので、火を止めて冷えてきたら、コーヒーが下へ降りてくるんです!まるで理科の実験。
ドリップ式に比べると、抽出時間をしっかり守れば味のブレが少ないため味が安定しやすいそうです。
こうしてお話ししている間にも、遠方からのお客さんが絶えません。
みなさん「一度、贈り物でいただいて美味しかったから買いにきた」とか、「友達に聞いて気になって」とか、「喫茶店の方に教えてもらって」など口コミの方がほどんど。
わざわざでも行きたいお店ですね。
夏は巨大なサイフォンが稼働!
夏になったら、この大きなサイフォンで、なんと10時間かけて水出し珈琲を点滴のように落としていくそうです。
1滴1滴ゆっくりと時間をかけて抽出されるコーヒー。飲んでみたいし見てみたい!!
5月、そろそろ美味しいアイスコーヒーに出会えるかも♪
大阪東洋珈琲のベストセラー、噂の「皇室珈琲」
上皇陛下が皇太子の時、神戸の政府公的施設にご滞在された際、期間中お飲みになる珈琲の選定が開催され、大手メーカー20社、他社メーカー30社以上の品評会で選ばれた珈琲がこの「皇室」。質の高い嗜好品が口にされる神戸周辺エリアで勝ち抜いた特選珈琲です。
なんと、もっとすごい珈琲がここにありました。天皇陛下に認められたコーヒーって!!ただごとではないですよね。
柔らかくてマイルドで、苦いとか酸っぱいという苦情が一切ない万人受けする珈琲だそうです。
確かにクセがなくて飲みやすい!!色々飲んで、一周回って皇室珈琲に戻ってくる方も多いんだそう。
何杯でもいける、日常に欠かせない、そんな美味しい珈琲です。
特殊バルブを使用したパッケージ
コーヒー豆は酸素に触れると酸化して味を損ねるため、できるだけフレッシュな状態で密閉する必要があります。ところが、焙煎後のコーヒー豆からは二酸化炭素が放出され続け、密閉してしまうとパッケージが破裂する可能性があります。
大阪東洋珈琲のパッケージには、特殊バルブを使用しており、コーヒー豆から放出される二酸化炭素を外に逃がしながら、外からの酸素の侵入を防ぎ、フレッシュな状態を維持することができます。袋を開けた瞬間に漂う、香ばしいコーヒーの香りをお楽しみください。
贈り物にもおすすめです
皇室珈琲はファンが多く、芸能人も御用達なんだそう。
左側は贈り物としてオリジナルのメッセージを入れたもの。コーヒーの味(キレが良い)に合わせた「初太刀」と言うメッセージは剣道家ならでは!
お子様のお名前を入れたり、お祝いのメッセージを入れるのも喜ばれそうですね。
春限定は「さくらブルボン」
季節限定の珈琲もあります。お味は、爽やかで柔らかく「春」がぴったりなコーヒー。さくらブルボンって名前もパッケージも可愛いですね。
ドリップバッグも人気!
最近よく見かけるこのドリップバッグの個包装。
1杯ずつでも味わえる!というのがいいですね。ちょっとしたプレゼントにも最適!
山登りのする方が「山頂で味わう1杯」として毎回持参されているそうです。最高に美味しいでしょうね。そんな飲み方もいいですね。
水出しアイスコーヒーも!
簡単で美味しい!雑味のない爽やかなアイスコーヒーを楽しめます。このパッケージもかわいい♡
その他、珈琲豆のメニューはこちら
種類が豊富!挽き(粉)でも豆でも100gから購入できます。
原材料の長期的な価格高騰で4月から価格改定ですが・・・こればかりは仕方ないですよね。それでも良心的価格!
そしてこの筆で書かれた価格表は社長の手書き。文字にも味があってセンス抜群ですね。
このヒノキの看板も社長の手作り。木の感じといい、文字といい、色といい、素敵すぎます。
美味しいコーヒーの淹れ方は動画で!
「コーヒーの粉をペーパードリップにセットしたら、中央におまじないの穴を開けましょう」
これは衝撃的でした!今まで知らずに淹れてましたが、このおまじないで、モコモコができましたよ♪ぜひチェックしてみてね。
最後に
美味しいコーヒーに出会えて、社長とお話できて、初めて来られた方はみんな「得したわー」って帰っていく方が多いそうですが、まさに私も同感です!
桑原社長のところには、コーヒーのことはもちろん喫茶店のオープンの相談にも色んな方が来られるそうです。
「ここの味を知ったら普通のコーヒーはもう飲めない」と言っていたお客さんの言葉も納得です。
ぜひ大正区の「隠れ家」へこっそり行ってみてください。教えたくないけど教えたくなるはずです。
【店舗情報】
大阪東洋珈琲
住 所:大阪市大正区小林西2-13-12
電話番号:06-6556-3336
営業時間:8:00~19:00
店休日:日曜、祝日(GWは営業中)