自分らしい時間を取り戻せる心地いい空間。大正区の【チャイ工房】の始まりは屋台から。

こんにちは!ライター西浦です。

みなさんのお気に入りカフェはありますか?

大正区には、駅から徒歩30分というなかなかの立地ながら、わざわざ行きたくなるカフェがあるんです。

知る人ぞ知る!チャイの原点とも言える素敵なお店をご紹介いたします。

 

『チャイ工房』さん

どこか懐かしさを感じる外観。大正区北村の住宅地にポツンと現れます。

古民家ではなく、築60年以上のアパートを改装したというカフェです。1994年からこの場所で27年営業されています。

 

木の板に歴史を感じます。またメニューのイラストが和みますね。チャイをはじめ、スイーツにカリー、大正区らしい「とうふチャンプルー」も楽しめますよ。

 

 

引き戸を開けて店内へ

一歩入ると土間が広がります。外観からは想像ができなかった、古き良き新しい空間。広くて田舎に来たような開放感があります。

 

 

元アパートだったというこちらの1階部分には、3世帯が住んでいたそうです。玄関入ると共同廊下がずーっとあって、ドアが3つあって、窓も3つあって。

柱を見ると、ここで区切られていたのかな?って、その名残を感じられました。3つの家が1つの空間になってると思うとおもしろいですね。

 

 

お座敷ですが、靴を脱いでお邪魔するという特別感がありますね。

2人席テーブルが2つと、席数を減らしての営業ですが、木のぬくもりを感じながらゆったり寛げます。

 

そんな空間に温かく迎えてくれたのは

 

寺内さんご夫妻と看板猫のチャコちゃん

(ご主人の康文さんと奥様のるみさんとチャコちゃん)

お会いした瞬間から和やかな雰囲気に包まれます。

チャイやドリンク・おやつは、るみさん担当、お料理は康文さんが担当です。そしてお店で使われてる器のほとんどは康文さんの作品なんだそう。店内に並ぶ作品も、色合いや独特な模様がなんとも素敵なんです。猫をモチーフにした作品も可愛すぎます。

 

”かんたろう陶作品”がずらり

かんたろう作品??と考えてしまいましたが、実は、康文さんの「あだ名みたいなもん」なんだそう。あの「寺内貫太郎一家」というドラマから!?いつの間にかそう呼ばれていたとか笑。もはやこのあだ名の方が定着してそうですよね。私もかんたろうさんと呼ばせていただきます。

 

とっても人懐っこくて美人のチャコちゃん。冬になったらストーブの横に鎮座しますが、まさに癒しの接客係です。大正区で拾われた子なんです。

普段は2階にいますが、猫好きなお客さんが来られたら、苦手な方がいないか?を確認しながら、たまにお手伝いしてくれています。

 

素敵な空間に器にお料理まで、一冊の本ができそうなくらいたっぷりと、「チャイ工房物語」を聞かせていただきました。

 

 

チャイとの出会いは、るみさんがハマった「インド」の1杯から?

(るみさんにお話を伺いました)

高校生くらいの時に、急にインドが凄い好きになって。

テレビでシルクロード見たりとか、ゴダイゴのガンダーラが流行ったりとか、なんか憧れだったんですね。いろんな本を読んだり、新聞記事をスクラップしたりしながら、いつか行こうと決めてましたね。

実際に行けたのは、大人になり、幼稚園の先生として働き出してからで。冬休みを利用して行きました。インドに行って、やっぱり憧れや好きな気持ちは変わらずだったので、3回くらいは行ったんですが、旅行だけで止まりましたね。

インドでは意外とスパイスを入れないチャイが多かったです。熱くて甘いチャイは疲れた身体に染み渡りました。その間日本でも、インドチャイのお店”カンテグランデ” とか”伽奈泥庵(カナディアン)”に通ったりして「チャイって美味しいなぁ」って楽しんでました。

 

ーーー 3回もインドへ行かれてたとは! 確かに現地に住むとなると話は変わりますよね。インドで出会ったチャイが忘れられなかったんですね。

それから、ご縁があり結婚されたお相手が、大阪にチャイを根付かせたと言われている、伽奈泥庵の元店主さんだったそうです。チャイ工房の先代オーナーにあたる方です。

 

チャイ工房の前身は玉造での「チャイ教室」

最初は住んでた玉造のアパートで、予約制のチャイ教室として、チャイやカレーを出してましたね。そこが大正区に来る前の、チャイ工房としての始まりですね。チャイは先代から学びました。

その頃、幼稚園の先生はやめていて、チャイ教室をしながら、当時大正区泉尾にあった「凡愚」というおそば屋さんでバイトをしてたんです。

玉造のアパートは小さいところだったので、「もう少しみんなが来てくれるような屋台でやったらどう?」と言ってくれはって。そのバイトが終わった後に、お蕎麦屋さんの軒先で屋台のチャイ屋を開かせてもらい、先代オーナーと一緒にやることになりました。

 

大正区で屋台のチャイ屋さんOPEN

屋台でやってたのは1年だけなんですが。ちょうど屋台ブームの始まりの頃で、お蕎麦を食べに来てチャイを飲むというスタイルができていましたね。

またそれを聞いて来てくれはる大正の人の繋がりが魅力的な町やなと思ってました。そんな大正に住みたいなあと思っていたころ、ここの大家さんに出会って、今の場所に引っ越してきました。

人のご縁で来たという感じですね。

 

 

1994年 チャイ工房の始まり

最初は大正区で住もうと思ってこのアパートに引っ越してきたんですけど、ここでもお店できるやん!となり、隣の大家さん家の一郭をお借りして「チャイ工房」を始めたんですが、1年で先代が癌で亡くなってしまいました。

その前から「ここのアパートを全部改装してチャイ工房を大きくしようね」って言ってたんですよ。それで亡くなっちゃったので夢が宙ぶらりんになっていて・・・。

仕方なくというか、必然的にというか、この夢を実現しないとなーって思いました。

周りにも手伝ってくれる方や、先代の旦那さんを慕ってくれる方がいて、そこにはかんたろうさんもいて、お客さんやみんなが協力してくれはって、アパートの改装が実現しました

デザイナーの北村等さん(PON PON Design)には内装デザインと大工仕事の指導をしていただき、イラストレーターの諸戸美和子さんには看板を描いていただきました。

 

ーーー改装というか、自分たちでここまで作られたんですね!凄すぎます!! 突然のことで大変だったと思いますが、周りの方の想いが素晴らしいですね。 そしてしっかり、るみさんが受け継がれたんですね。

 

 

大正区出身のかんたろうさんとの出会いは屋台?

(かんたろうさんにお話を伺いました)

一番最初、先代とるみさんがやってた屋台が”たこ焼き屋”と思って行ったんです。そしたら「チャイ屋です」言うから、なにそれ?いらんわーって帰りました笑。

30年以上前、お蕎麦屋さんの前はたこ焼き屋やったんですよ。チーズたこ焼きとか美味しくて、それがまた復活したんかと思って行ったらチャイ屋やって。

チャイって何や?と聞いたら「炊込みミルクティーやー」って言われたんですけど、もう口はすごい”たこ焼き”になってたんです。牛乳も苦手だったんで、チャイなんか絶対飲めへんと思ってました。

2回目行った時は、他に薬草茶とか紅茶も色々あることを知って、仕事で疲れて胃腸が弱ってたので、十薬キーマンとか飲んで。そこからずっと通うようになってましたね。

 

ーーー そんな面白い出会いだったんですね。たこ焼きとチャイでは大違いですよね笑。ちょっとそのやりとりを想像してしまいましたが…思い出し笑いをしてしまいそうです。

 

お仕事は陶芸をされてたんですか?

全くやってなくて、製版会社で働いていました。残業が多くて疲れてきたなあと思っていた頃、「一緒にやりませんか?」と言ってくれたんで、そこからチャイ工房のお店を一緒にやるようになりました。

僕はこのお店が好きで来てて、インドとかには興味なかったんですが、こんな格好でやってるんで、よく「世界中行かれるんですか?」とか言われるんですけど、「世界???」「インド?なにそれ??」て感じでしたね。

料理もしてなかったんですが、「どっかで修行されてたんですか?」とよく聞かれます笑。

陶芸はカフェの仕事を始めてから、近所で習い始めました。一回やめたんですけど、チャイの器を作って欲しいって言われて、お店の器を中心に作るようになり、少し販売もするようになりました。

 

ーーー いやー私もそう思ってる一人でしたが、本当に意外すぎて面白いです。陶芸もお店をやり始めてからとはビックリです!!もうずーっと陶芸作家さんのようなクオリティ!かんたろうさんの器にも癒されます。

屋台の時からずっと来てて、ここも一緒に改装してて、お店を手伝ってるうちに、るみさんと一緒になることになったそうです。素敵ですね。

 

 

チャイ工房さんのこだわりを教えていただきました。

最初はアジアを意識してたと思うんですが、それよりもだんだん食材にこだわりが出てきて、ヘルシーな料理を出そうとなってきました。

できるだけオーガ一ニック食材、調味料も添加物とか使われてない自然な製法で作られたものを選んでます。体にいいので妊婦さんもよく来てくれてます。

野菜が中心なので、食物繊維やビタミンとりたい時にもオススメです。

 

 

ーーー そんな身体にやさしいご飯をいただきました

 

ベジタブルカリーセット

(Lunch850円/サラダ・ヨーグルト付)

色とりどりのたっぷり野菜が嬉しい。スパイスもオーガニックで、素材と自然な調味料にこだわった、優しい味わいのカレーです。

猫の箸置きや器も素敵です。

 

セットのサラダにはオリジナルのドレッシングが。これがまたたまらなく美味しいです。

 

 

インド風やさい天ぷら

(650円)

衣がインド風で、本当に野菜が美味しい!季節ごとの野菜本来の味を楽しめます。

 

 

チャイは13種類も!

チャイ工房のチャイは、ケニアの無農薬紅茶を使用し、牛乳のみで煮出すのでマイルドな味わいが特徴です。

他にもチベットのギー茶やケニア紅茶、ラッシー・コーヒーなどメニューが豊富すぎて迷いに迷います。

 

迷った時は「ミントチャイ」がオススメ!

チャイの甘さの後にほわっとミントが香る、強すぎないミント感がとっても心地よくてとっても美味しいです。

10種類もの自家製ミントを入れて作られています。これはハマりそうです。

 

おやつ・ケーキ類は全て、るみさんの手作り

(いちじく&くるみケーキ+クルフィーセット600円)

クルミといちじくたっぷりのやさしい味に癒されます。クルフィーとはインド風スパイス入りミルクシャーベットで、あったかいケーキによく合います。

 

 

オープン2年目から始めた「他力本案帳」

お客さんが自由に何でも書いていいノート。こんなにたくさん! 「昔来た時に書いたのあるかなー?」って楽しんでる方もおられるそうです。25年分の記録はすごいですね。

 

 

これからどんなお店にしていきたいですか?

若い頃みたいにあれもこれもはできなくなってきてしまって。時代も変わったし、私たちも変わってきた中で、やっぱり続けることかな。

ここに来て静かな気持ちになってもらったり、自分の時間を取り戻してもらったり、息抜きに来てもらえる、そんなお店を続けられるだけ続けていきたいなーって思います。

 

最後に、大正区はどんな街ですか?

もう30年もいるので染まっていってますね。

最初はすっごい空が広くて、開放的だなーって思いました。人が優しくて、沖縄の方が多いからかちょっとのんびりしてて、自分ものんびりできるし時間がゆっくり流れてる感じがして、ちょっとインドっぽい~と思ったり。

よその区に行って、大正駅のところに帰ってきた時に、「あー帰ってきたー」って思うんです。やっぱり全然違うんですよね。みんなの歩き方も違うし、この辺に猫がいるっていうスポットを通るのも楽しみな街です。

 

取材を終えて

ここまで落ちつけるお店ってなかなかないと思うんですよね。「古いのでどうしても壊れてきて、その度に改装している」とおっしゃっていました。そのメンテナンスが行き届いているからこそまた味が出てきているんですね。

店内もお料理も器も、お二人の人柄にも、すべてに癒される空間です。チャイ工房のファンが多いのも納得です。

テーブルに置いている「注文の多いカフェ」の中身はお願いなんだけど、イラストがかわいくてクスって笑える、そんな冊子もユニークです。

是非一度訪れてみてください。

 

 

【お邪魔したお店】
チャイ工房
住 所:大阪市大正区北村1-14-9
(大阪シティバス〈済生会泉尾病院前〉より徒歩1分/〈大正区役所前〉より徒歩5分)
電話番号:06-6552-1924
営業時間 : 12:00〜20:00(ラストオーダー 19:00)
定休日:不定休(月初めにホームページにておしらせします。)