地域密着型の医療と時々靴磨き♪大正くすのきクリニックの近藤室長を訪ねてみたよ。

今回は大正Labo初めてとなるクリニックさんをご紹介します!

いつもはラボする側が、ラボされる側に回ったような?

やや緊張の面持ちで向かったのは「大正くすのきクリニック」さんです。

 

大正くすのきクリニック

大正駅から南へ徒歩10分。目の前には泉尾上公園と泉尾商店街にもほど近い場所に「大正くすのきクリニック」はあります。腎臓や人工透析を専門とし、地域密着型の医療を目指されています。近隣の介護関係者や病院、他にもたくさんの企業や店舗と協力し合った医療を心がけているクリニックです。今回はご自身も臨床工学技師の資格を有す近藤室長に普段は聞くことのできない医療の現場から病院との違い、大正の想いに至るまでをお聞きしました。

 

 

--- 医療従事者を前に緊張気味の山崎

近藤室長 もっと気楽に聞いてもらっていいですよ。病院だからかしこまってしまうのはしかたのないことかもしれませんが。喫茶店で打ち合わせしてるみたいな感じで笑

 

--- ありがとうございます。病院はどうしても緊張してしまうんですよね。(安心する山崎)それでは立ち上げの経緯からお聞きしたいのですが、この4月で開院が丸三年になるのでしょうか?

 

近藤室長 はい。この場所では丸3年になりますが、2012年の6月に和田ビルさんの4階で開院したのがそもそもの始まりでした。新旧合わせるともうかれこれ10年近くは大正区にお世話になっていることになります。

 

--- 近藤さんは普段どういったことをされているのでしょうか?

近藤室長「臨床工学技士」という資格をご存じでしょうか?生命維持管理装置を扱う資格になりますが、当クリニックの専門である人工透析は腎臓の代り、人工心肺は心臓の代り、人工呼吸器は肺の代りと言ったように異なります。コロナ禍で再三取り上げられた「ECM(エクモ)」は人工呼吸器の取り扱いに分類されます。看護とメカニカルな分野を担当するのが私の仕事です。また現在では当院の運営に関わることが多いです。

 

--- 人工透析とは何か詳しく教えてください。

近藤室長 もちろんです。当院は人工透析を専門に行うクリニックですが、血を入れかえたり、輸血みたいなことを想像されがちですが実際は全くの別物です。

まず患者さんに2本の針を刺します。なぜ2本必要かと言うと血を採取する針と戻すための針がそれぞれ必要だからです。採取した血は装置で綺麗にした後に体内へと戻します。それを1日平均4時間、長い方では6時間以上にもなりますがそれを週3回のペースで行うのが人工透析です。

 

採血用と体内へ戻すために必要な2本の針

 

治療だけで4時間ですので着替えや通院の時間も含めると優に6時間はかかります。そのため外来みたく毎日毎日違う患者さんが来るわけではなく、固定の患者さんが予め組まれたスケジュールに沿って通院されるのが透析クリニックの特徴です。健康な方からすると人工透析のことって知らなくて当然かもしれませんが。

 

--- 透析患者さんはどのようなことに不安を持たれてるのでしょうか?

近藤室長 まず元気になれるのか?仕事は今まで通りできるのか?になるかと思います。費用面に関しては今のところ国からの援助で賄うことができますが、今までの日常がどこまで保てるのかに不安を感じる方が多いと思います。これもあまり知られていないことですが人工透析に完治はありません。透析を一度でも受けると途中で止めることはできません。ただ腎臓移植と言う例外もなくはないのですが再生医療の研究が進んでいるとはいえまだ普及するレベルとは言えないのが実情です。

 

リクライニングチェアを採用しリラックスした状態で治療を行えるエステサロンのようなフロア

 

 

--- 他の病院やクリニックとの違いは何でしょうか?

近藤室長 患者さんとそのご家族、また介護関係者さんまでと、関わる全ての方々との距離が近いというのが特徴です。具体的にはヘルパーさんやケアマネージャーさんと面談することで患者さんの生活環境を変えることまで行います。このような患者さんとの関係性はどこの病院でも行えませんし、患者さんの日常生活を止めないことが医療の役目でもあると考えています。そのためクリニックはどちらかというと家に近い存在かもしれませんし他のクリニックさんに比べてもより近くに感じられると思います。また目や足が不自由な方には積極的に通院サポートも行っています。

 

--- 地域の方との繋がりで取り組まれていることはありますか?

近藤室長 近隣の子供たちを招いたハロウィーンイベントを行ってきました。昨年はコロナの影響で残念ながら開催できませんでしたが他にも「のきさきあるこ」のような商店街活性化プロジェクトに医療従事者としてサポートを行いました。

 

感染症対策が施された環境の下、のきさきあるこの説明会場として提供

のきさきあるこフェイスブックより引用

 

医療だけに留まらず地域の方の生活をトータルでサポートできたらと考えています。あとは介護とか医療の質を上げるための勉強会も行っています。

 

次亜塩素酸のスペシャリスト

コロナウイルスが世に存在しなかった頃から次亜塩素酸の研究をされてきたという近藤室長。設備の消毒が欠かせないクリニックの環境において高度な機械で次亜塩素酸の消毒薬を製造されています。

 

 

豊富な経験と知識を元にのきさきあるこでは正しい取り扱い方の講義を行い、消毒薬を「のきさきあるこ 」に無償提供と、感染症対策についてアドバイスまで広範囲に担当されていました。

のきさきあるこフェイスブックより引用

 

--- 話しは変わりまして近藤さんは吹田市にお住いの様ですが他区からみた大正ってどんな街ですか?

近藤室長 吹田は農業の街。大正は商業の街。という印象があります。大正は立地的にも恵まれているので商業に直結しやすいんだと思います。その勢いもあってか地域性が全然違います。

 

 

吹田の方はふんわり、やんわりというのに比べて、大正の方は何においてもがっつりという感じ!僕は職場の大正も、育った吹田も同じくらい両方好きですね笑

 

--- 大正でお気に入りのスポットを教えてください。

近藤室長 最初にクリニックを構えた和田ビルさんですかね。お世辞にも新しいビルとは言えませんが、思い出もあるし昔からの息づかいが感じられる大好きな場所です。4Fまではテナントですが、5Fからは居住用のフロアになっているのも好きでした。管理事務所の方々がみんなの顔を知っているので、自然と会話も交流も生まれる風土がいいですね。

 

 

好きな風景は大正の商店街です。ローカルな古き良き時代の名残が今も残っていて人の暖かさに触れられるのが好きです。昔から続くホルモン屋さんやお好み焼き屋さんも大好きですし、中には飴湯屋さんなんかもあったりして、自然とほっこりできますよね。海とか川に近いのも大正ならではですし、そのような場所で働けるのはとても幸せなことです。

 

時には靴磨きのスペシャリスト

地域のイベント(のきさきあるこ)では医療者ではなく、革磨き職人として参加された近藤さん。患者さんに限らず接する全ての方の笑顔を大切にされています。

のきさきあるこフェイスブックより引用

 

--- 最後に大正区の方にメッセージをお願いします。

近藤室長 クリニックと聞いて喜ぶ方はあまりいないかと思いますが、私たちが見ているものは何も病気だけではありません。私たちが大正にいる意義として地域に根ざした取り組みを継続し、そのことで地域に活かされた医療を提供して行きます。いつの日か病院との境目がなくなるような環境を作りたいとも思っています。これからもこの大正の街でよろしくお願いいたします。

 

 

--- 『病院がお城ならクリニックは城下町。ワイワイお隣さん同士が助け合うのが目指す所の医療』そうおっしゃられていたのがとても印象的でした。近藤さん、本日は貴重なお話をどうもありがとうございました。

 

【店舗情報】
大正くすのきクリニック
住所: 〒551-0031 大阪府大阪市大正区泉尾1丁目30−5
電話番号: 06-6555-0560
営業時間:
月曜日8時30分~22時00分
火曜日8時30分~14時00分
水曜日8時30分~22時00分
木曜日8時30分~14時00分
金曜日8時30分~22時00分
土曜日8時30分~14時00分
日曜日定休日

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