【ネタバレナシ】大正出身の作家柴崎友香さんのショートカットをレビュー

めっきり秋めいてまいりました。

読書の秋ですね♪

 

大正出身の人気作家、柴崎友香さんの書籍をレビューします。

 

 

小説家 柴崎 友香さん

略歴

1973年、大阪府生まれ。大阪府立大学卒業。
99年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」(文藝別冊)でデビュー。
2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞・織田作之助賞大賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年『春の庭』で芥川龍之介賞を受賞。
著書に『きょうのできごと』(行定勲監督により映画化)、『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』、『主題歌』、『星のしるし』、『週末カミング』、『ビリジアン』、『わたしがいなかった街で』、『千の扉』『公園へ行かないか? 火曜日に』『よう知らんけど日記』など。『寝ても覚めても』が映画化され、2018年9月1日公開、カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式招待作品。

柴崎さんの小説には現存する大正の地名が幾たびも登場するらしいのです。実際の風景と重ね合わせることでよりリアルなストーリーが楽しめそうです。

 

ちなみに過去の代表作に「寝ても覚めても」とありますが、どこかで聞いたことあるぞ?!

この詮索はまた後日ということで本日レビューするのは「ショートカット」という2004年に河出書房新社から出版されたものです。

 

 

ショートカット(2004年、河出書房新社/2007年、河出文庫)

引用:amazon

数ある書籍の中から何故この一冊を選んだのか?それは前を向いているのか?後ろを向いてるのか?分からない女性のカバージャケットに惹かれたからであります。明らかにロン毛の女性なのにショートカットとという相反するタイトルも気になりました。

 

こちらは四遍の短編集からなっています。今回は「ショートカット」の感想を連ねてみます。

1.ショートカット

2.やさしさ

3.パーティ

4.ポラロイド

 

 

いつからが本題??

読み進めていてもストーリーの尾っぽが中々掴めないまま気づけば終わっている何とも不思議な物語でした。

そう長くはないものなので?マークを頭に溜め込みながら読み返してみました。それでも?マークは消えません。

 

そこで私は考えることを止めてみました。感じてみようと。

すると頭の中に有名な一節がポロローンと流れ出しました。

 

『遭いたいと思うことが何よりも大切だよ。』

米米倶楽部のヒット曲「ロマン飛行」の歌いだしです。

 

感じたままに申し上げるとこの小説は ❝現代版浪漫飛行なストーリー❞ ではなかろうか、ということです。

 

 

どういうことか?

ネタバレになってしまうため前後の関係は伏せますが、どう考えても主人公は瞬間移動しているのです。主人公の女性には好きな人がいるが簡単に会える関係性でもなく、大阪(主人公)と東京・表参道(好きな人)で離れている。

物理的な間柄ではあるが逢いたいと強く念じることで空間・時空の概念はこの小説に限っては存在しないのです。小説だから当たり前と思うかもしれません。

ただ柴崎さんの描く男女の会話や描写は滑らかで実にリアルであるから ❝瞬間移動❞ があまりにも非現実的にみてとれてしまう。この感覚がとても不思議なのです!

 

実態のない切なさやら自由な街の観測が表参道を危うくも瑞々しく表現されています。これも初めての体験でした。

 

大阪と表参道。

距離にして400キロ。

新幹線で3時間。

 

会いたい人との距離は近いのか遠いのか?

ただ分かったことは、逢いたいと思うことの大事さでした。

 

TikTokばかり見てちゃダメだそう思う編集長でした!

次回は「やさしさ」をレビューします。

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